
介護保険の施行から4年、さまざまな事業が民間でもスタートし、サービスの幅が広がって来ている。高齢者が家庭の中で生活しながら、家族の負担も軽減していくためのサービスの一つがディサービスだ。旧旅館の建物をディサービスセンターとしてスタートさせた老田さんは知的障害者施設や老人保健施設の現場で、福祉介護と向き合って来た経験を持つ。
「この辺り旧市街地も高齢化してきています。病気になっても住み慣れた地域で生活してもらいたいと、ここでの開所を決めました。今までの経験の中で、大きな施設では疑問を持ちながらも忙しさに追われて来たことを踏まえ、できるだけ一人ひとりの気持ちに応えられる施設創り、スタッフ創りを目指しています。」
現在はディサービスと介護保健外の宅老を受け入れ、小規模の特性を生かした家庭的で落ち着いた雰囲気の中、お年寄りが穏やかな生活を送れる環境を整えている。
「集団の中では、どうしても画一的なケアに終わってしまう面がありました。自分自身もお年寄りの声に、今は忙しいからと後回しにしてしまい、そのままになってしまうことすらあったのです。介護支援という目線では無く、お年寄りが主体で、社会生活のお手伝いをさせて頂きたいという気持ちを大切にしていかなくてはと思いますね。マニュアルはもちろん大切ではありますが、カリキュラム通りではなくても良いのではないでしょうか?善意の押し売りはしない事、とスタッフにも注意しあっています。」
小さな施設だから出来ることとして、天気の良い日は散歩に出掛けたり、図書館に出掛けたりと行事外でのお楽しみや、旬の素材を使った食事も好評だ。お風呂も機械浴、ひのきの補助浴、一般家庭と同じ浴槽と3種を設け、利用者自身が選べるのも喜ばれている。
「地域のコミュニティセンターとして、お年寄りが子供達からあらゆる世代とも触れ合える場所として開放された場所にしていきたいと思います。理想はありますが、何もかもと欲張るよりは、これだけは自慢できるよりベターな、オンリーワンの施設になろうと言っています。介護の仕事も認知はされてきましたが、スタッフにも介護にたずさわる人達が皆、これからの自分自身の問題でもあるととらえ、介護される人の身になって考え、取り組まなくては…と話しています。」
人の気持ちはマニュアルでは図れない。第一線の現場で介護や福祉と向き合ってきた老田さんだからこそ、小さな、そして一人ひとりと向き合える場の大切さを知り、家庭的なサービスを追求していけるのだろう。
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