|
クリスマスシーズンになると第九と並んで多く演奏されるのがヘンデルの「メサイア」。
この曲を知らないと言う人も、「ハレルヤ」や「How Beautiful」は耳にした事があるだろう、オラトリオ(宗教音楽)の名作品だ。
キリストの降誕・受難・復活の三部、全53章からなる美しい旋律のアリア、力強いコーラスなど、ヘンデルの才能にあふれた「メサイア」。
このメサイアがこの冬、高山で演奏される。
「この演奏会のきっかけは、5年前になります。
平成10年に地元出身の声楽家、砂田直規氏、栗谷美香子氏らを始め、在京オーケストラ・合唱団を迎え高山市民合唱団らとプロアマ混成で、モーツアルトの「レクイエム」の演奏会が催されたのです。
その時の感動から必ず再び一緒になにか演奏を、という約束のスタートとなりました。」
高山市民合唱団を率いる泉さんが、25年前合唱団に入ったころから、この「メサイア」を演奏することが夢であったそうだ。
「高山出身の砂田、栗谷氏はもちろん、すばらしいソリスト4人を迎え、白石卓也氏指揮のオーケストラ、高山市民合唱団、地元出身の音楽大学の学生や、フェリーチェ合奏団というプロとアマチュア混成100名でのメサイアの演奏会は、飛騨地区では今後何十年も開かれることがないのではないでしょうか?
飛騨には音楽でも沢山の芸術家を輩出する、文化的な素地があるように感じますが、一方でオーケストラや弦楽器を聴くという演奏会が少ないのはとても残念なことです。」
今回は指揮者、白石卓也氏の提案で、英語で歌われる歌詞の訳と、映像をスクリーンで流し、クラシックを聴き慣れない人でも、その世界が楽しめるような工夫もされている。
また、託児所も設ける予定だ。
「プロを呼ぶことで、予算的には厳しいものがありますが、45周年を迎える高山市民合唱団も、様々な人に支えられ、協力いただいているのを感じますね。
私達もプロと一緒に演奏をする事で、自分達のレベルを知り、高めて行く事ができます。
モーツアルトの演奏会から5年、再び緊張感を持ち、集中していく事が今の課題だと練習に励んでいます。」
20代から70代まで、様々な職種、立場のメンバーが揃う高山市民合唱団。
それぞれの志気を高め、大人の集団を合唱としてまとめあげるのは、指揮者であるという。
「指揮者の魅力があり、そこに惹かれていくんです。
合唱指揮者の田中氏のもと、練習を重ねていますが、人間味あふれる指揮に、気持ちがまとまっていくのを感じます。
また今回の指揮者、白石氏のすばらしい表現力に共鳴できたときの、成就感が最高ですね。
私達もプロと同じステージに立つからには、完成されたものを地元のお客さんに聴いていただきたいと思っています。」
この夜も練習が続いた。
世代や職種を超えて、ひとつの目標に向かう姿は清清しく、楽し気だ。「メサイア演奏会」のステージに、多くの夢が集まっている。
|