いつも トップ > リーダーは語る トップ > 畑 正壽さん(森林たくみ塾)


森林たくみ塾
理事長
畑 正壽さん




森林たくみ塾
高山市清見町牧ヶ洞4444-3
TEL 0577−68−2468
FAX 0577−68−2469
メールアドレス


私達の住む飛騨には豊かな自然があり、それに根付いた木の文化と伝統がある。
その土壌に若い、新しい力が育っているのをご存知だろうか?
森林たくみ塾が設立されたのは1991年4月。10年を経て、その卒業生は100人以上にのぼる。

「匠というのは人を指す言葉です。それは単に技術的に優れた人の事ではない。森や木を理解し、それを高い技術を使って人の暮らしに活かすことの出来る、人間的に豊かな人なのではないでしょうか?私達は学校、公教育の枠に納まらないことを、技を学んだり、匠と呼ばれる人達とのふれあいから学ぶ場所として、この飛騨に森林たくみ塾を開設したのです。」
と理事長の佃さん。
日本で初めての木の総合教育機関であり、また授業料無料という画期的なシステムも新しい試みだった。

「決して新しいものではありません。昔は職人や親方が個人的に弟子をとり、徒弟制度の中で技術を学んできたものです。現代では難しくなったこの徒弟制度を基本にしているのがこの塾です。弟子は親方と仕事をしながら、その実践の中で技や考えを学んできたでしょう?入塾には試験を行っていますが、はっきりとした目的をもった生徒であるかが基準となっています。」
実際に家具や小物などの製品の制作を行いながらの基礎訓練である。商品として販売される以上、生徒とはいえ求められるのはプロとしてのスピードや安定した品質だ。
その生産ゆえの授業料無料が、徒弟制度の一つである。

「学校と違う点は、自分のためのものを造ってはいけない、人のために造るからプロなんだというところですね。同じものを造っても、そこに自分なりのメッセージを込められるか。木というのは自然から生まれ自然に帰る循環型素材です。使命を終えた時に自然に帰るべきものだと、造っている本人が気付けるかどうか、よい「つくり手」となるための修業の2年間ですね。」
年度末である3月、すべての塾生に「まとめの課題」といわれる成果品の発表が行われる。
活動報告会といわれる作品展が発表の場だ。

「クリエイティブというのは、実はあるものをどう活かすかという作業でもあるのです。新しいものを求める余り無い物ねだりになってしまってはいけない。匠の技というのはまさにそこに目の付けどころがあるのです。」
新しいものを求め、消費していく文化のなかで、若い世代が人をみつめ、暮らしを考え、技を磨く。
もの造りの原点というべき、「つかう人が見えているか」。

理想を語るだけの教育ではなく、仕事という責任を通して学んだ彼らの卒業生は、全国で活躍しているという。10年を経て、そろそろ成果が見えて来なければいけない頃だと佃理事長。ドングリが各地の山に根をはって立派な木に育つように、どんな個性が育ってきているのだろうか?彼らのメッセージは、私達が当たり前に親しんでいる飛騨の文化を思い出させるためのヒントにあふれているのかも知れない。