いつも トップ > リーダーは語る トップ > 土井 正行さん(オステリア・ラ・フォルケッタ)



オステリア・ラ・フォルケッタ
高山市本町3丁目18
TEL 0577−37−4064
ホームページ

2月には土井さんの修行した
トスカーナ地方を中心に
北イタリアをめぐるツアーを開催。
ワインナリーや市場、レストランと
盛りだくさんな内容で参加者を募集中!
詳しくはお店まで


一念発起という言葉が相応しい人がいる。イタリアンのお店「オステリア・ラ・フォルケッタ」のオーナーシェフ、土井さんの経歴はおもしろい。

旅行社に勤めたのち、単身イタリアに渡る。

「旅行社時代から海外や国内での食べ歩きが趣味だったんです。ちょうど結婚もし、二人でなにか出来たらと話し合いました。子供の頃から手伝いで料理をするのが好きだったこともあります。しかし、スタートが30代になっていましたから、今から修行に入れてくれる店も無いだろうと…。そこでイタリアに留学ビザで修行に出たんです。」
当時、新婚の奥さまを高山に残して、である。渡伊後、まずは語学と料理の学校に入学、その後、城壁の街で知られるルッカのレストランに住み込み修行が始まる。

「そのお店は家族経営で、果樹園や農園があり、伝統的な料理と炭火焼きをだす地元で人気のお店でした。イタリアならではの大らかさか、シェフはどんな食材でも味見をさせてくれ、レシピまで貸してくれるんです。」
日本での修行と言えば、皿洗いから、というイメージがあるが、イタリアでは皿洗いは専門の人で、コックの仕事とは違うのだそう。

「イタリアの人は自分の文化に誇りを持っていて、遠い国から学びに来た自分を歓迎してくれました。日本なら何年かかっても触らせてもらえない仕事も、どんどんチャンスをくれます。」
イタリアは都会にもファーストフードの店やスーパーマーケットが少なく、自分達の食べ物が一番という文化がある。

「ルッカのレストラン時代のある日、オーナーが今日のティラミスを作ったのは誰だ!と厨房に飛び込んで来ました。何かミスかと青くなったら、来店していたベッド・ミドラー(ハリウッド女優で歌手)が美味しいと誉めてくれたのだそうです。とても嬉しい思い出ですね。」
その後、ピアチェンツァという街に移り、ミシュラン(有名なレストランガイド)の星付きで、シェフが料理本なども出版している高級レストランで2軒目の修行。

「ここでは美食文化を学びました。さらに南アルプスのホテルのレストランに移り、ノーヴァクッチーナと言われる新しいスタイルの料理を学ぶことになったのですが、最初に基礎を、次に高級店の料理を、そして斬新なアレンジと学べ、自分の運の良さを感じましたね。」
家族との約束の期限も過ぎ、そろそろ帰国をと切り出すと、シェフからいくら払えばもっといてくれるかと引き止められる。

「日本に帰ってどうするのかと聞かれたので、自分の店を持ちたいと話したら、シェフがお前はもうこれだけ出来るんだから大丈夫だ。と言ってくれました。これで自信が持てたんですね。今思えば、彼も深く考えずに励ましてくれただけのような気もしますが…。(笑)修行といってもどんどん一人で料理を任せてくれ、貴重な体験が出来ましたね。同じ留学者の中には、料理人歴の長い人もいましたが、人付き合いの苦手な人は苦労していました。ここには自分のサラリーマン経験が生かされたんでしょう。」
伝統的なイタリアンに忠実な料理は、外国人が来た時にも喜ばれるそう。

「自分はまだ経験も浅く勉強しなければならない事も多いし、日本人がイタリアの料理を作るのですから、へたに日本的なアレンジなど加えず、本場のスタイルに挑戦しようと思っています。逆にテイクアウトのお惣菜コーナーを始めたのですが、こちらはカジュアルな食べやすさを大切に。お客様の声や、同じ高山の料理の先輩方からアドバイスをいただくことも多いです。」

夢を持ち、挑戦するのに遅すぎるということは無い。いかに周囲に応援してくれる人との関係を築いていけるかが大切かなのだ。