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老田酒造店 代表取締役
老田 正夫さん


老田酒造店(有)
高山市上一之町62
TEL 0577-32-0166

江戸中期から造られてきたという飛騨の地酒。山国の清らかな水、飛騨でとれた米、寒冷地特有の気候。おいしい酒造りの条件を満たした飛騨の酒は、郷土文化のひとつとも言えるだろう。
「鬼ころし」の蔵元として、全国に知られる老田酒造場の老田正夫さん。今年の酒造りも終盤を迎え、蔵にはほんのり甘い酒の香りがただよう。

「酒造りは農業の一環だと考えています。その年に出来た良い米を使い、手をかけて醸し、神様に恵みを感謝しながらいただく。飛騨地方では、お祭りはもちろんお祝い、お見舞いやご挨拶でも、なにかあるとお酒を持参して…という風習があります。土地に根ざしたものを造っている、という想いはありますね。近年では、世界標準、グローバルスタンダードが叫ばれていますが、私達の文化としてもローカルスタンダードがあって良いのではないかと思います。地酒もそんなひとつではないでしょうか?」

最近では焼酎の人気も高く、米、麦、そば焼酎の新商品も開発された。先頃の高山市合併を控えた清見村、朝日村からも、地元で採れた材料を使った焼酎を、という依頼で共同開発にも取り組む。『朝日村』と『清見の里』がそれだ。

「朝日村はよもぎと米を使って、清見の里は清見村産のそばを使いました。それぞれの村の名前を酒として残したい、そんな想いで取り組んだものです。」

手造りの技を守りつつ、誠実な酒造りの中で、造り手と飲み手の関係を深めながら、地酒ならではの飲酒文化の創造にも取り組む。そんな故郷飛騨への想いからも、様々な活動やボランティアも積極的だ。中でも8年400回と続くヒッツFM「FM随想 私のオールディーズ」のDJとしてご存知の方も多いだろう。

「ただ古い曲を流して懐かしむだけでなく、誰もがあの頃持っていた情熱を思い出して欲しい、そんな気持ちで初めました。CDも2000枚以上に増えましたが、選曲している時が一番楽しいですね。先日、駅で目の不自由な方に、手をお貸しした所『老田さんですね。声でわかります。』と言われ感激しました。今では知らない方からも声をかけていただいたり、いろんな話題を頂いたりが本当に嬉しいものですね。」

今年、古稀を迎える老田さん。

「そろそろ、いろんな役もご免、と思っていますが、が、古稀は『こき使う』とも言いますからね。(笑)今年は飛騨に仏教が伝来して1300年という年にあたり、それを記念して6月4日5日と『仏教・飛騨伝来 1300年記念法会』があります。その大会長を仰せつかいました。元高野山大学学長などが来高され、飛騨ではもう2度と聞けないのではという素晴らしい講演があります。高野山は世界遺産となり注目を集めましたが、密教ということで私自身も勉強させていただこうと楽しみにしているんですよ。」

飛騨の地酒も農業のように育てるもの。ふるさとの文化もまた、守り育てていくものなのだ。