いい店探訪
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 シフォンケーキを食べ、ハーブティーを飲み外にでる。
  空の色、道端のタンポポ、頬にあたる風、みんな私に話しかけてくるみたい。今日は、いつもと違う道を歩いてみよう。
  少し違うことに手を伸ばしてみたくなったのは、優しいお茶の時間のせいかな。


  クリーム色、レモン色、うぐいす色。どれにしようかなと迷いながら、山々が芽吹き緑が濃くなるこの季節にあわせて、うぐいす色を選んでみる。ふわっとして軽い口当たり、わずかな苦味とよもぎの香りが口の中に広がっていく。この春、高山の郊外で取れたばかりの新よもぎを、たっぷりと使ってある自家製シフォンケーキ。
「シフォン」とは薄く柔らかい絹織物の語源から来ていると言う。まるで赤ちゃんの肌のような優しさに、「シフォン君」とでも呼んでみたくなる。
  ケーキ好きだった店主の吉川祥子さんが、シフォン君に出会ったとき、何度食べても飽きないシンプルな味にとりこになったと言う。そして祥子さんの大好きな飛騨の旬の味とシフォン君を仲良くさせた。「飛騨の野菜、果物って、とってもおいしいんですよ。イチゴ、すくなかぼちゃなど、地の物を生地にたっぷり加えてあるから、自然な甘さ香りが楽しんでもらえ、添加物も加えてないんですよ。」旬の素材を入れ込むとケーキの焼き具合も微妙に違ってくるのだが、祥子さんは体に優しく、おいしいものを作りたいという情熱で手間暇を惜しまない。食べてもらうこと、作ることが大好きな祥子さんは、自分の焼いたケーキを子どもみたいにかわいいと、沢山のシフォン君を誕生させる。
そのシフォン君と相性たっぷりなのが、温かいハーブティー。ハーブは香りがよく、精神を安定し、いろいろな薬効がある。祥子さんはお客様の体調にあわせ、各種のハーブティーを勧める。優しいシフォン君とハーブの香りで、かさかさしていた心が少しずつ潤いを取り戻していくようだ。

  祥子さんがイギリスに滞在したとき、人々がお茶を飲む時間を生活の中にうまく取り入れ、日常生活を豊かにしている文化に触れた。それから、ほっと安らげるお茶の時間を提案することが、祥子さんのお店作りの原点だと言う。訪れるお客さんも、幼い子ども連れの家族からお年寄りまで幅広い。ふんわりとしたシフォンケーキは、子どもの頃母親に抱っこされた肌のぬくもり、お布団に体が包まれている優しさにも似て、誰からも愛され飽きのこないシンプルな味。このお店が誕生して4月2日で6周年を迎えた。祥子さんの提案する、ほっと安らげるお茶の時間は、地域の人々に着実に浸透しているように感じた。

シフォン(Chiffon)
高山市下二之町59 TEL0577-37-2501
http://www.chiffon-cake.com/